サンレー紫雲閣

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不思議な体験

不思議な体験

 故人は七十代後半の女性で、しっかりされた子供さんが三人と、お孫さんが七人いらっしゃいました。
 葬儀の朝、お孫さんたちが口を揃えて「昨晩、おばあちゃんの夢を見た」と言い出したのです。
 話をよく聞いてみると、お孫さんそれぞれにお別れと励ましの言葉を伝えていたというのです。
 私は半信半疑ながら十歳前後のお孫さんたちに「きっとおばあちゃんが最期の夜に、みんなにお別れを言いに来たんだね、やさしいおばあちゃんだね」と語りかけたところ、それぞれに想いがあったのでしょうか、何人かのお孫さんには、涙ぐむ子もいました。
 それから打ち合わせや準備等を行い、葬儀開式の一時間前になり、ご遺族・ご親族の主だった方々は式場で、式の流れや焼香の作法などの説明を受けていました。
 突然、一人のお孫さんが祭壇を指差しながら叫びました。
 「あそこにおばあちゃんがいる!」
 すると他の子たちも「本当、笑っている、笑っている」「手を振っているよ」とお孫さんたち全員が言い出し、祭壇に向かって手を振り出したのです。
 驚いた親御さんたちやご親族の方々は「どこ?どこに?」と口々にたずねましたが、子供たちの指差すところには、私も含めて何も見えません。
 式場内は騒然となりましたが、二,三分ほどして子供たちにも見えなくなったようでした。

 ただお孫さんたちみんなが「”ありがとう”って言っていたよ」と口を揃えて言っていました。
 その後は何事もなく、無事に葬儀を終えることが出来ましたが、改めて「霊」というものの存在を認識させられた不思議な体験でした。
42歳 男性 N・H (メモリアルスタッフが見た、感動の実話集『最期のセレモニー』より)