超高齢社会に求められるグリーフケア・サポートと隣人交流サポート。
サンレーが取り組む「ともいき倶楽部」を紹介しましょう。
超高齢社会の現代ニッポン。その中でも㈱サンレーが本社を置く北九州市は人口に占める65歳以上の比率である高齢化率が全国平均を2ポイント余り上回る30.1%(2018年3月末現在)と、全国に20ある政令指定都市で最も高齢化が進んでいます。そんな「お年寄りの町」で冠婚葬祭業を営んでいるサンレーに求められるのは、いかに住民のために、そしてお年寄りのために有益な社会貢献活動をしていくかということでしょう。
与えられたテーマに対し、積極的に取り組んでいる一例が「ともいき倶楽部」です。「人は老いるほど豊かになる」という信条のもと、65歳以上の方が一方的に支援される立場になるのではなく、お互いに支え合って生きていこうという目標を掲げて2014(平成26)年10月に発会しました。お年寄りといっても個人差があり、まだ積極的に体を動かせる人には健康を保ったうえで、他のお年寄りのサポートをする側に立って行動してもらおうとの考えです。
「笑って長寿! 笑って健康!」をキャッチフレーズに毎月1回、サンレー本社に程近い道場風の研修施設「天道館」で開催しているのが「ともいき倶楽部笑いの会」です。1999年に日本初の笑いのNPO法人として誕生した博多笑い塾(本部・福岡市)の小ノ上マン太朗理事長に率いられた素人芸人が、毎月第2木曜午前10時半に天道館の舞台に立ちます。漫談、落語、手品、楽器演奏、物まね、日本舞踏、ダンス、ヨガ・・・
月ごとに手を替え品を替えた出し物で、ただ演じるだけでなく笑いを交えて来場者をひきつけます。
ステージは毎回、正午までの約1時間半続き、入場料は500円。約40人前後の来場者は、いつも笑いが絶えません。観客のほとんどがリピーターで、知り合いと再会して会話を交わす機会となっており、月に一度無事を確認する場にもなっています。
90歳を超えた現役最年長マジシャンなど、登壇する芸人の多くが65歳以上です。会社を定年退職後に独学で芸を磨いた人もいて、プロの芸人のように手際よく華麗な芸を見せられなくても、自らの芸でお年寄りを喜ばせようとする懸命な姿に胸を打たれる時もあります。来場者は自分より年長の芸人の奮闘を目にし、笑いつつも健康寿命を延ばしていこうという思いを強くしているように見えます。
2017年9月以降の奇数月には、天道館で出演した芸人が北九州紫雲閣(北九州市八幡西区)に移動し、その日の午後2時から同じ芸を披露して「笑って長寿」の輪をさらに広げています。「笑いの会」は長寿社会で求められている企業の社会貢献のモデルケースといえるでしょう。
サンレー創業の地である小倉北区上富野周辺の方々に、長くご愛顧いただき、お世話になった感謝の気持ちを込めて建てられたのが、「天道館」。近隣の方々が気軽に集える『公民館』や『市民センター』のような施設として利用いただける場となっています。地域交流の場が減少する中、新しいコミュニケーションの場として注目されています。