ホーム > 感動のエピソード一覧
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大学ノート
梅雨明けの暑苦しいある日、一人の男性が会館に見えました。 野球帽にサングラス、白のポロシャツにジーンズ姿、足元は雪駄、すらっとした細身の体型で、脇には黒革のポーチ、手にはビニール袋をお持ちです...
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「私は、あと半年の命です」
お客様から葬儀の生前見積りをしたいというお電話をいただき、ご自宅にうかがいました。 当時は、生前見積りをされる方が少なく、「死ぬ前に葬儀の話なんか・・・」と言われる方が大半でした。 お客...
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おふくろの漬物
年も押し詰まった、十二月二十九日のお通夜でした。二十八日の深夜、亡くなられたということでした。 故人は六十代前半の奥様。喪主はご主人、独立した息子さんがいらっしゃいました。 十月に体調を崩...
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晴れ着
ちょっとはにかんで、でも誇らしげに振袖を着た成人式の写真。 町の写真館でよく見かける、そんな写真を、私は大きく引き伸ばしてメモリアルコーナーに飾りました。 「お母さん、見事なお着物ですね。お...
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K君の思い出
小学生のK君は、姉と妹にはさまれた、ゲームとお笑いが大好きな心やさしい少年でした。 彼が生まれて数か月後からずっと、両親は彼の将来と真剣に向き合ってこられました。 医師から「普通の成長」はおそ...
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応援団長
私が以前担当した、ある若い方の葬儀に関する事柄です。 その方はある有名な大学で応援団長として学生時代を過ごされ、卒業後は東京の企業へ就職して順風満帆な人生を歩んでおられました。しかし不慮の事故...
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「赤とんぼ」の大合唱
故人は八十歳のおじいちゃん。家族は長男ご夫婦と男のお孫さんが五人で、おばあちゃんは早くに先立たれ、同居のおじいちゃんがお孫さんの面倒をよく見ていたそうです。 いつものように通夜後、明日の告別...
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不思議な体験
故人は七十代後半の女性で、しっかりされた子供さんが三人と、お孫さんが七人いらっしゃいました。 葬儀の朝、お孫さんたちが口を揃えて「昨晩、おばあちゃんの夢を見た」と言い出したのです。 話をよく...
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笑顔の葬儀
去年の夏、九十歳で亡くなられた、おばあさまの葬儀での話です。 病院から自宅に帰り、通常どおり仏壇の前に安置させていただきました。会館ではなく、自宅葬です。 「縁側の見えるところに寝かせてやり...
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メルヘン
小さなふとんの上に、お人形さんが眠っているようでした。それはそれは愛らしい、天使のような男の子でした。 生後七日目、運命とはいえ、新米ママの腕の中で小さな灯のような生命は消えていきました。 ...